CITY LIGHTS

昨日の文章を読み直してみたがすげえ恥ずかしかった。
僕は自分が書いている文章に感情移入してセンチメンタルが加速してしまうということが分かった。
なかなかフラットな文章を書くのは難しいんだなあ。

昨日の文章は本当は女の子が東京に彼氏がいるってところから、僕の東京に対するイメージと憧れに繋げようと思ってたんだけど、そんなことはすっかり忘れて熱の入った文章を書いてしまった。

東京ってやっぱり特別だよねっていう普通のことを書きたかっただけなんだ。
僕は東京にたいした思い出はないけど思い入れはある。
それはやっぱりいろんな作品が東京をテーマにしているからだと思う。

毛皮のマリーズ弦楽四重奏曲第9番ホ長調「東京」という曲がある。
くるりに「東京」という曲がある。
銀杏BOYZに「東京」という曲がある。
僕が大好きな曲だ。

マリーズは東京を「愛しきかたちないもの」と表現し、くるりは「君のいない場所」と表現し、銀杏BOYZは「2人を通り過ぎたなんでもない毎日」と表現した。

僕は大学2年の夏休みに東京に行った。
東京は本当に怖かった。実際に怖い思いもした。
僕が夜の渋谷に1人で行くことは二度とないだろう。
渋谷には人の悪意というものが集まっていた。

最果タヒの「君はかわいい」という詩の一部を引用する。

みんな知らないと思うけれど、なんかある程度高いビルには、屋上に常時ついている赤いランプがあるのね。それは、すべてのひとが残業を終えた時間になっても灯り続けていて、たくさんのビルがどこまでも立ち並ぶ東京でだけは、すごい深い時間、赤い光ばかりがぽつぽつと広がる地平線が見られるの。

東京で見る景色は本当に自分の目で見たものが素直に映るんだろうなって思う。
ちょっと表現が難しいけど、たとえば景色を見るときに自分が中心にいるように景色を見ることがある。
でも東京では自分が端っこにいるような気持ちで景色を見ることになる気がする。

東京の夜は悪意が集まっている。
東京ではいつだってすみっこ。

どう考えたって1人では生きていけないよ。

きっと東京で出会った2人は愛し合うしかないんだと思う。
手を取り合って誰もさわれない2人だけの国が出来上がり、そこで恋人たちは寄り添って静かに歌うのだ。

だからこそ東京は美しい。

梅ヶ丘のアパート、下北沢のライブハウス、小田急線の終電、渋谷のスクランブル交差点、お台場のアミューズメント

どうしてなんでもない単語がこうもキラキラした切なさを帯びているんだろう。

 

就活が終わったら東京に行きたいな。
東京で好きな音楽を聞いてそれに合わせて東京のすみっこで愛し合う恋人たちを想像したい。

 

まぁこんなやばいことを言うのは日本で僕1人くらいなんだと思うけどさ。