労働CALLING

 

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

 

年末年始はバイトがクソほど忙しかったので会いたい人にも会えず、読みたい本も読めず、見たい映画も見れず、ひたすらに労働していた。

昨日まで5連勤で今日はお休み。

本当は卒論を仕上げる予定だったんだけど、ブックオフのウルトラセールでたくさん本を買ったから読む。

 

その前にバイトが本当に忙しかったという話を書こう。

 

僕は飲食店でバイトしているから、みんながお休みの年末年始が1番の稼ぎ時だ。

朝の7時から夜の11時まで常に時間に追われながら作業をした。

言葉にできないくらい忙しかった。

常に普段の1.5倍のスピードで動いている感じ。

 

1月1日の朝の一発めに包丁で指を切った。

めちゃくちゃ痛かったけど、痛いって言う暇もないからすぐにバンドエイドを三枚重ね貼りして血を止めて作業に戻った。

1日の労働時間が12時間を超えた頃から、疲れがピークに達して頭が痛くなる。

常に立っているから足が痛くなってきてその場にしゃがみ込みたくなる。

 

疲れたとか痛いとか言ったところで誰かが変わってくれるわけでもないから、手を動かし続けた。

仕事には感情とか感覚とか必要なくて、まるでロボットみたいだなあって思いながら。

そういえば一年生の年始は朝から晩までずっと洗い物をしていて、あまりのしんどさに自分を食洗機だと思い込むことでなんとかやり過ごしていたことを思い出した。

 

最近、人間の仕事がロボットに奪われるみたいな話をよく聞くけど、別に奪われるわけじゃなくて人間をロボットにしてしまうのが仕事なんだ。

本当の意味で人間がロボットに変わる時代になっただけ。

もともと労働とロボットは相性が良過ぎる。

人間と労働はある面で相性が悪い。

あ、今更だけど今回書いている仕事は単純作業的な仕事のことね。

相性が悪い面とは、人間の感情や感覚だ。

嫌だ辛いという感情があるし、痛みや疲れという感覚がある。

そういった悪い面を持たないのがロボットだ。

ロボットには感情も感覚もないからバッテリーが切れるまで働き続ける、ヒューマンエラーもないから仕事の再現性は100パーセントに近いはず。

さっさとロボットに仕事を開け放してしまうのが賢い。

 

近年のロボット化はむしろ労働者達の人間化とも言えるのではないか。

単純作業をロボットに与えることで仕事中に閉じ込めていた感覚や感情を解放する。

これから単純作業者達は、単純作業から解放されて人間らしく働く時代が来るのだと思う。

 

まあ仕事が残っているのかどうかはしらないけど。

仕事が残っていなかったら働かない時代が来たってことでしょう。

最近話題のベーシックインカムみたいな話につながるのかな。

 

僕は1ヶ月くらい禁煙していたんだけど、バイトがあまりにしんどくてタバコを買った。

仕事終わりに火をつけて深く吸い込み、年明けの寒空に白い煙を吐き出す。

目の前が真っ白になるほどの煙。

僕は普段こんなにも多くの息を吸って吐いていたのかと驚く。

普段、自分の呼吸を見ることはないだろう。

でもタバコが吐き出す息を白く染め、僕の呼吸を可視化してくる。

タバコは自分が生きていることを教えてくれる魔法のアイテムだ。

 

低所得者ほど喫煙率が高いという厚生労働相のデータがある。

データがあるかどうかはしらないけど単純作業ほど所得は低くなると思う。

つまり単純作業者ほど喫煙率が高いということになる。

間違っていたらごめん。

 

何故なのかなんとなく僕にはわかる気がする。

単純作業をしている間は人間らしさを閉じ込めなければいけない。

終業後にタバコを吸うことで自分が生きていることを実感し、人間らしさを取り戻すんだ。

実際に単純作業者である僕は終業後にタバコを吸うことで、ああ今日も頑張ったなあと実感することができた。

 

最近急に騒がれだしたロボット化と禁煙化は実は関係あるかもしれない。

 

よし。書きたいこと全部書いた。

 

せっかく1ヶ月も禁煙していたのにまた今日から1日目だ。