好きな女の子にハチミツとクローバーを読んで欲しいという気持ち
恥ずかしいことだけど僕は今まで女の子の好みというものがなかった。
髪型はその子に一番似合う髪型でいいと思うし
、細い子も可愛いし太めの子も可愛い。
性格がきつい子も可愛いけど優しい子も好き。
それくらい女の子ってだけで僕は肯定していた。
でも22歳になってやっと女の子の好みというものがぼんやりと出来てきた。
この前中学生の時に2年くらい付き合ってた子とラインすることがあった。
その子は甲子園が大好きで、小学校の先生になるために勉強を頑張っている。
僕は野球は見るのもするのも好きじゃなくて教師っていう職業も思うところがあってあんまり好きじゃない。
その子は僕が好きな小説も映画も音楽もぜんぜん知らなくて、むしろ僕が大嫌いな映画が大好きで、どうして2年も続いたのかなって考えた。
その子はメインカルチャーな女の子で、僕はサブカルチャーな男。
ぜんぜん興味の方向も違うけど間違いなくその子のことが僕は大好きで、その子も僕のことを好きでいてくれた。
山崎ナオコーラの小説の『論理と感情は相反しない』っていう短編集を思い出した。
論理的に物事を考える彼氏と感情論で物事を考える彼女がすれ違いながらも共生していく話。
その小説中の別の話で2人はその後別れていることが書かれていたっけな。
趣味が合わなくたって価値観が合わなくたって一緒にいる男女はたくさんいると思う。
でも今の僕にはきっと無理だと思う。
他の人もきっとそうだと僕は勝手に思っているんだけど、僕みたいなサブカルチャーな人間って自分のアイデンティティの大部分が自分の趣味にあると思う。
好きな小説に影響を受けたり、音楽に彩られた人生を歩んでいたり、甲子園で球児たちが流す涙より映画の中でヒロインが流す涙を美しいと感じる。
僕の趣味を理解してくれないっていうのは僕自身を理解してくれないっていうことに直結してしまうような気がしてしまう。
でも万人ウケしないからサブカルチャーなわけで、分かって欲しいけどそれが叶わないことを分かっている。
とうぜん僕だって相手のことを理解してあげることができないし。
こんなひねくれた文書を書いているけど趣味の合わない友達といるのも楽しいし、西野カナが好きな女の子と話をするのも好きだから、ちょっとわがままを言いたい気分なだけだと思うけど。
僕は今絶賛恋人募集中なわけで、今まではどんな趣味を持っている女の子でも良いかなって思ってたんだけど最近はそうは思えなくなってきた。
相変わらずルックスについてはこだわりはないけどできるなら銀杏BOYZとandymoriが好きで携帯小説より純文学が好きな女の子が良い。
ハチミツとクローバーに感化されてスピッツを聴きながら2人で四つ葉のクローバーを探したいし、穂村弘に感化されて月見バーガーを食べるために終電を見送りたい。
大学2年生になったあたりから女の子と恋愛話をすると、女の子たちは結婚についてもう少しづつ考え始めているみたいで僕がさっき書いたようなことを言うと笑われてしまって寂しい気持ちになる。
僕は22歳になっても中学生みたいに女の子を想って、22歳になってもしたたかな恋愛が苦手で、22歳になっても自意識と決別できていない。
いまラッキーオールドサンを聞いていて、「いくつになっても恋をする素敵な人でいて」って歌っていて少し勇気付けられる。
さすがにそろそろ恥ずかしくなってくるのでもう終わろうと思う。
1700文字も費やして言うことじゃなかったかもしれないけど僕にとってはなかなか切実な話なんです。
最後にもし読んでくれた人がいるなら。
ハチミツとクローバーは本当にいい作品です。
もし時間があれば手にとって見てください。
老いることを恐れないで
女の子It's gonna be alright
いくつになっても恋をする
素敵な人でいて
答えは風に吹かれても
男の子boy's don't cry
いくつになっても不器用な
夢ばかりを見る
ラッキーオールドサン−「坂の多い街と退屈」